食生活部会 食事バランスガイド講座(基礎・活用術編)開催報告
2006年7月22日、名古屋市内で**「食生活部会 食事バランスガイド講座 第1回 基礎・活用術編」**が開催され、80名が参加しました。この講座は、食育基本法や食事バランスガイドの策定という社会的な動きを受けて企画され、その背景と具体的な活用方法を学ぶ貴重な機会となりました。
開催概要
日時: 2006年7月22日
会場: 名古屋市内
参加者: 80名
主催: 食生活部会
講師: 早渕 仁美 氏(県立福岡女子大学人間環境学部教授)
主催者挨拶・講師紹介: 小川 宣子 氏(岐阜女子大学教授)
質疑座長: 福田 靖子 氏(名古屋女子大学教授)
講座内容
講師の早渕仁美氏は、食事バランスガイドを策定した国の検討委員会委員として、その成立背景や考え方を丁寧に解説しました。
策定の背景:
「食生活指針」の国民認知度が25%に留まる中、個人の食行動を変容させるための具体的なツールとして「日本版フードガイド」が作られたこと。
生活習慣病予防対策のツールとして、視覚的に分かりやすい情報提供を目指したこと。
コマの順番の論議: 食事バランスガイドのコマの順番について、「主食、主菜、副菜」という従来の指導とは異なり、「主食、副菜、主菜」の順番になった理由が明かされました。これは、栄養不足の時代とは異なり、野菜不足が問題となる現代において、意識して野菜類を先に食べるように促すためであるという、検討委員会での具体的な論議が紹介されました。
早渕氏の丁寧な解説に加え、食事バランスガイドの応用事例も多数示されました。
活発な質疑応答
質疑応答では、学生、研究者、家庭科教諭、保健所職員、生協理事、主婦、食品業界関係者、広告業者など、多様な立場から10名以上が積極的に挙手・発言しました。その熱気に、早渕氏も終了後の懇談で「これほど熱心な質疑がたくさん出た会場は初めて」と感心されていました。
今後の展開に関する情報提供
講座では、今後の方針についても示唆がありました。
学童期向けガイド: 現在のガイドは学童期に合わない部分があるため、近くプラスαされたガイドが発表される予定であること。
牛乳・乳製品の扱い: 学校で1本、家庭で1本という現在の栄養士の指導に沿ったものになる見込みであること。
この講座は、食事バランスガイドの策定意図を深く理解し、今後の食育活動に活かすための非常に有益な機会となりました。