2008年12月7日日曜日

「地球環境は台所から」平成20年度「食」を考えるシンポジウム 

平成20年度「食」を考えるシンポジウム 開催報告

テーマ:地球環境は台所から

2008年12月7日(日)、名古屋通信ビル・ホールにて「平成20年度『食』を考えるシンポジウム」が開催されました。このシンポジウムは、農林水産省の「平成20年度にっぽん食育推進事業」の助成を受けて実施され、調理の工夫や地産地消がCO2削減にどのように貢献するかについて考えを深める貴重な機会となりました。


開催概要

  • 日時: 2008年12月7日(日)13:00~16:00

  • 会場: 名古屋通信ビル・ホール(JR・地下鉄「鶴舞」駅すぐ)

  • 参加者数: 101名

  • 主催: とうかい食農健サポートクラブ、食育シンポジウム協議会

  • 共催: 食を考える国民会議

  • 後援: 東海農政局、各県・市、各教育委員会、各栄養士会、各農業協同組合中央会、各生活協同組合連合会、中日新聞社など


プログラムと内容

シンポジウムは、事例報告、講演、ワークショップの3部構成で進行しました。

  • 司会: 小出弥生(食育サークルSUN)

1. 事例報告:「地産地消は環境にやさしい」

  • 「知ろう食べよう弥富の食」: 愛知県弥富市立弥富中学校の栄養教諭、服部恵子氏が、学校給食での地産地消の取り組みについて報告しました。

  • 「環境にやさしい調理」: コープみえ組合員の大東満希子氏が、家庭で実践できる環境に優しい調理の工夫について発表しました。

2. 記念講演

  • 講師: 津田淑江 氏(共立女子短期大学教授)

  • 演題: 「おいしく環境にやさしい献立―CO2削減を調理から」

  • 概要: 津田氏は、地場野菜でもハウス栽培の場合はCO2を排出する可能性に触れつつ、家庭での調理方法の工夫が環境負荷低減に繋がることを強調しました。一軒の家庭での削減量はわずかでも、それが市民全体で集まると膨大な量になることを具体的な数値で示し、参加者に大きな気づきを与えました。

3. ワークショップ

  • テーマ: 「台所からの排出CO2を計算してみよう」

  • 指導: 津田淑江氏

  • 内容: 参加者は持参した電卓を使って、実際に日々の調理でどれくらいのCO2が排出されているのかを計算しました。この体験を通じて、環境に配慮した調理をより身近に感じることができました。

まとめ

このシンポジウムは、子育て世代の食育リーダー層から学生、主婦まで、多様な参加者101名を集めて盛況でした。託児サービスも提供され、参加しやすい環境が整えられました。日々の暮らしの中での小さな工夫が、地球環境の改善に繋がるということを、講演と実践的なワークショップを通じて学ぶ、非常に有意義なイベントとなりました。

2008年11月10日月曜日

「あいちの食シンポジウム」

「あいちの食シンポジウム」開催報告

2008年11月10日、レセプションハウスユニオンホールにて、「あいちの食シンポジウム」が開催されました。本シンポジウムは、めいきん生協とみかわ市民生協が主催し、とうかい食農健サポートクラブも後援団体として協力しました。


開催概要

  • 日時: 2008年11月10日(月) 10:00~14:00

  • 会場: レセプションハウスユニオンホール

  • テーマ: 「世界の中の日本の中の、あいちの食 私たちはどうする」

  • 主催: めいきん生協・みかわ市民生協

  • 共催: めいきん生協・みかわ市民生協 虹の会

  • 後援: 東海農政局、愛知県、名古屋市、中日新聞、とうかい食農健サポートクラブ


プログラムと内容

シンポジウムでは、基調講演とシンポジウム・リレートークが行われました。

  • 基調講演:

    • 演題: 「お米の大切さを中心に」

    • 講師: 小川 雄二 氏(名古屋短期大学教授)

    • お米が日本の食文化において持つ重要性や、その役割について講演が行われました。

  • シンポジウムとリレートーク:

    • テーマである「あいちの食」をめぐり、私たちは今後どうしていくべきか、様々な立場から活発な意見交換が行われました。

このシンポジウムは、食を取り巻くグローバルな状況や日本の食料自給率、そして地域である「あいちの食」について深く考える貴重な機会となりました。

2008年10月11日土曜日

企業の食育応援団劇場

「企業の食育応援団劇場」開催報告

2008年10月11日、岐阜女子大学の大学祭企画の一環として、同大学の学生食堂にて「企業の食育応援団劇場」が開催されました。本イベントは、とうかい食農健サポートクラブと岐阜女子大学の共催で、子どもとその保護者、そして食育を学ぶ学生を対象に、企業が提供するユニークな食育プログラムが披露されました。


開催概要

  • 日時: 2008年10月11日

  • 会場: 岐阜女子大学 学生食堂(岐阜市)

  • 参加者: 210名(5歳児10名とその保護者、食育に取り組む学生など)

  • 司会進行: 三輪 聖子 氏(岐阜女子大学 生活科学科教授)

  • 共催: とうかい食農健サポートクラブ、岐阜女子大学

プログラムと内容

イベントでは、以下の4つの企業・団体がそれぞれの食育手法を実演形式で紹介しました。

  1. 伊那食品(寒天メーカー):

    • 演目: 「つるんつるんおいしい寒天」

    • 内容: 寒天がどのような原料から作られるのかを紙芝居で分かりやすく説明し、試食も提供されました。

  2. 味の素:

    • 演目: 「だしの話」

    • 内容: 昆布だしと鰹だしの「うま味」を実際に味わう体験を通して味覚を学び、味覚に関する紙芝居をパワーポイントで上演しました。

  3. 明治乳業:

    • 演目: 「ミルクの話」

    • 内容: 牛乳の試飲や、「牛乳を出すのはオスかメスか」といったクイズ、映像を使って、子どもたちが楽しく牛乳について学べるプログラムが実施されました。

  4. 岐阜女子大学 生活科学研究会:

    • 演目: パネルシアターの読み聞かせ

    • 内容: 学生が手作りのパネルシアターを使って、食に関する物語を読み聞かせ、会場を盛り上げました。

まとめ

このイベントは、企業が持つ教育資源を食育に活用する貴重な事例となりました。子どもたちはクイズや紙芝居を通して楽しみながら食について学び、学生たちは企業の食育手法を実践的に知る良い機会となりました。

2008年6月27日金曜日

①総会・会員相互交流会

とうかい食農健サポートクラブ 総会・会員相互交流会 開催報告

2008年6月27日、名古屋市千種区の生協生活文化会館にて、とうかい食農健サポートクラブの総会と会員相互交流会が開催されました。24名の会員が集まり、それぞれの活動を共有し、交流を深めました。


開催概要

  • 日時: 2008年6月27日

  • 会場: 生協生活文化会館(名古屋市千種区)

  • 参加者: 24名

プログラムと内容

会員によるショート報告会

会員7名が、それぞれの専門分野や日頃の活動について短時間で報告を行いました。

  • 福谷 佳子: 「知的障害者クッキング」に関する取り組みについて。

  • 伊藤 小友美(ごはんたべよー会): 日常の「台所調査」から見えてきたことについて。

  • 内田 美子: 「想いを伝える」をテーマに、活動にかける思いを共有。

  • 今井 節子: 自身の活動について自由に報告。

  • 関山 英男: NPO法人設立に向けた動きについて。

  • 五十嵐 桂葉: 「食の絆」プロジェクトのPR活動について。

  • 亀山 周央(キコソーレ商品企画研究所): 司会者による代読で活動を紹介。

この報告会を通じて、会員それぞれの多様な活動を知る、良い機会となりました。

会員相互試食交流会

報告会の後、試食をしながらの交流会が行われました。

  • 概要: 会員の「かるなあ」から提供された大豆タンパク小麦グルテンを使った精進料理のオードブル、寿司、梅酒、漬物、野菜など、参加者が持ち寄った品々が並びました。

  • 交流: おいしい料理を囲みながら、報告内容に関する質問や、日頃の活動についての意見交換が活発に行われ、会員同士の親睦が深まりました。

この交流会は、日頃の活動の成果を共有し、新たな繋がりを生む有意義な時間となりました。

2008年5月20日火曜日

食べ物の楽校・工場見学

食べ物の楽校・工場見学 開催報告

2008年3月10日、名古屋市港区にある(有)節辰商店の藤前センターにて、「食べ物の楽校・工場見学」が開催されました。19名の参加者が集まり、「和食の基本・だしを知る」をテーマに、だし作りの現場を学びました。


開催概要

  • 日時: 2008年3月10日

  • 会場: (有)節辰商店 藤前センター(名古屋市港区藤前)

  • テーマ: 和食の基本・だしを知る

  • 参加者: 19名

見学内容とプログラム

参加者は、だしの製造ラインや原料倉庫など、普段は見ることができない工場の内部を詳しく見学しました。

  • 工場案内:

    • 勝田 吉雄 氏((有)節辰商店 社長)

    • 勝田 和吉 氏((有)節辰商店 藤前センター長)

    • 安達 秀子 氏((有)節辰商店 東海橋液体工場・検査室長)

    同社の社長をはじめとする担当者から、製造工程や原料へのこだわりについて直接説明を受けました。

  • 補足説明:

    • 小川 宣子 氏(岐阜女子大学 家政学部教授)

    • 山中 なつみ 氏(岐阜女子大学 家政学部教授)

    大学教授による専門的な視点から、だしの機能や特性について補足説明が行われ、学びを深めました。

  • 飲み比べと試食: 見学後には、実際にだしを飲み比べたり試食したりする機会が設けられました。

概要

節辰商店は、国産の材料だけにこだわってだしを製造している中小メーカーです。当日は、製造ラインから原料倉庫まで全てが公開され、参加者はかつお節などの原料が国内産地にこだわって選ばれていることを実感しました。また、インドネシア産のかつお節が増加している現状を踏まえ、気候風土によって発酵の具合が異なるという興味深い話も聞くことができました。

和食の味の根幹をなす「だし」について、生産現場でのこだわりと学術的な視点の両方から学べる、貴重な見学会となりました。

2008年1月27日日曜日

④平成19年度「食」を考えるシンポジウム(平成19年度にっぽん食育推進事業) 

平成19年度「食」を考えるシンポジウム 開催報告

テーマ:たべる・たがやす・しとねる ~食育・食農教育の実践から~

2008年1月27日、名古屋通信ビルホールにて、「平成19年度『食』を考えるシンポジウム」が開催されました。本シンポジウムは、農林水産省の「にっぽん食育推進事業」の一環として開催され、176名の参加者が集まりました。

「たべる・たがやす・しとねる」というテーマのもと、家庭や学校、地域で実践されている食育・食農教育の事例が報告されました。特に「しとねる」という言葉に込められた**「人になるように育む」**という意味は、参加者の共感を呼びました。


開催概要

  • 日時: 2008年1月27日

  • 会場: 名古屋通信ビルホール(名古屋市)

  • 参加者: 176名

  • 主催: とうかい食農健サポートクラブ、食育シンポジウム協議会

  • 共催: 食を考える国民会議

  • 後援: 農林水産省東海農政局、東海地域食育推進協議会、岐阜県、愛知県、三重県、名古屋市、各教育委員会、各栄養士会、各農業協同組合中央会、各生活協同組合連合会、各PTA連合会、各保育園連盟、中日新聞社

プログラムと内容

  • 総合司会: 堀川 敬生 氏(株式会社宏昌食糧研究所 代表取締役社長)

  • 主催者挨拶: 小峯 正 氏(食育シンポジウム協議会 会長)

基調報告:「なぜ今食育なのか~食でしとねるを考える」

  • 報告者: 沼田 直子 氏(小児科医・石川県子育て支援課担当課長)

  • 概要: 食育の本質について深く掘り下げた報告で、参加者から特に好評を得ました。

    • 「一食一食を丁寧に食べることが、丁寧に生きていくことに繋がる」

    • 「子どもたちに『させられた感』を残さず、自ら『〜したい』という気持ちを育むことが大切」

    • 「育てる」と「教える」は違うという視点から、食を通じて子どもを育むことの重要性が強調されました。

実践報告

コーディネーターの西村 敬子 氏(愛知教育大学 教育学部教授)のもと、4つの先進的な実践事例が報告されました。どの報告も、パワーポイントのスライドに子どもたちの笑顔やいきいきとした表情が多数盛り込まれており、好評でした。

  1. 「心身ともに健康で、自他を大切にする子の育成~食からのチャレンジ~」

    • 報告者: 吉川 洋子 氏(知立市立知立西小学校 教諭)

    • 食事バランスガイドの活用事例が具体的に紹介され、児童のノートの実物展示によってその効果が強調されました。

  2. 「食べることが大好きな子どもに!~『はらぺこあおむしの日』『森田んぼ』を取り組んで~」

    • 報告者: 岩田 マツエ 氏(名古屋市立森田保育園 園長)

  3. 「作って食べておいしい笑顔」

    • 報告者: 相宮 栄 氏(関市立田原保育園 主任保育士)

  4. 「ふるさと奥三河の豊かな大自然の中で、農業の大切さ、食べ物の大切さを学ぶ『子ども農学校』~休日の食農教育と若い親子のJA参加~」

    • 報告者: 斉藤 美代子 氏(JA愛知東 ふれあい相談課長)

会場内情報展示

会場内の会議室とロビーでは、報告者の教材や教具のほか、東海地方で食育に取り組む大学研究室、団体、機関がパネルやポスター展示を行い、活発な情報提供と交流が行われました。

このシンポジウムは、食育・食農教育の多岐にわたる実践例に触れるとともに、その本質的な意義を深く考える貴重な機会となりました。