農と市民を結ぶフォーラム(市民農業講座「なごやか農楽校」公開講座) 開催報告
2008年7月20日、名古屋市中区のホールにて、市民農業講座「なごやか農楽校」の公開講座として「農と市民を結ぶフォーラム」が開催されました。約350名の市民が参加し、「みどりの農地はまちの宝だ!」という全体テーマのもと、都市の農地の価値と市民による農業サポートのあり方について議論を深めました。
このフォーラムは、とうかい食・農・健サポートクラブと名古屋市のパートナーシップにより企画・運営されました。クラブの有志メンバーが、市の担当者と協力し、市民の視点からフォーラムの方向性を定め、運営に携わりました。
開催概要
日時: 2008年7月20日
会場: 名古屋市中区のホール
参加者: 約350名
全体テーマ: 「みどりの農地はまちの宝だ!」
企画・運営: とうかい食・農・健サポートクラブ、名古屋市
プログラムと内容
第1部: 基調提言「『星座的都市農業』への提言」
講師: 向井 清史 氏(名古屋市立大学 経済学部教授)
概要: 向井氏は、都市農業を夜空の星に例え、都市の農地が単なる生産拠点ではなく、市民の心を豊かにする「ロマン」や、進むべき道を照らす「道標」のような存在であることを提言しました。農家・市民・行政がパートナーシップを組むことの重要性について、新しい視点からの提起がありました。
第2部: フォーラム「農と市民をむすぶ取り組み――ひとそだち・まちづくり――」
コーディネーター: 林 進 氏(岐阜大学 農学部教授)
報告者:
小森 一秀 氏・宇佐美 英里 氏(「なごやか農楽校」受講生): 市民が農業ボランティアを目指す第一歩として、講座で得た経験を報告しました。
安藤 博巳 氏(「甚目寺町畑の学校」校長): 地域で実践されている市民参加型の農業体験について紹介しました。
蔵地 栄 氏(とよた生き活き農業塾 生き活き部会長)・鈴木 孝征 氏(JA豊田市 営農企画課長): 定年退職者を農作業の戦力として活用する「域産域消」の取り組みについて、連携の事例を報告しました。
金井 重斗 氏・若松 清美 氏(名古屋市・農業者): 農家が抱く農業への「思い」を率直に語りました。
若井 秋子 氏(名古屋市・生協組合員): 消費者として、農業や農産物に対して感じている「気持ち」を伝えました。
正村 節子 氏(岐阜県・野良の会): 消費者主体の有償援農グループの活動について紹介しました。
まとめと今後の課題
本フォーラムは、多様な立場の市民がそれぞれの活動事例を共有することで、都市農業の課題と可能性を明らかにしました。市民が主体となって企画・運営に携わったことで、参加者にとってより身近で実践的な内容となりました。
一方で、運営面では、ボランティアスタッフの負担が過大になった点や、市民の自発的な活動が行政の上層部にまで十分に理解されているかという疑問が課題として残りました。しかし、担当者との間には確かなパートナーシップの芽が育まれ、今後の市民と行政の協働に向けた重要な一歩となりました。
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