2009年10月31日土曜日

楽しく、おいしく食事バランスガイド

食育推進学習会「楽しく、おいしく食事バランスガイド」報告(第1回)

2009年10月31日、名古屋市中区の東別院会館対面所にて、**農林水産省「平成21年度にっぽん食育推進事業」**の助成を受け、食育推進学習会の第1回が開催されました。

本学習会は、子育て世代の食育を担う小中学校の教員、栄養士、自治体職員、ヘルスメイト、生協リーダーなどを対象としており、募集定員を超える201名が参加する盛況となりました。参加者が自ら「食事バランスガイド」の有効性や課題を確認できる、熱気に満ちた学習会となりました。


開催概要

  • 日時: 2009年10月31日

  • 会場: 東別院会館対面所(名古屋市中区)

  • 参加者数: 201名

  • 主催: とうかい食農健サポートクラブ、食を考える国民会議

  • 共催: 名古屋勤労市民生活協同組合、みかわ市民生活協同組合

  • 後援: 東海農政局、愛知県、愛知県教育委員会、名古屋市、名古屋市教育委員会、(社)愛知県栄養士会、愛知県食生活改善推進員連絡協議会、愛知県農業協同組合中央会、愛知県生活協同組合連合会


プログラムと内容

学習会は、講義、事例報告、昼食、ワークショップという参加型の構成で行われました。

  • 総合司会: 向井忍(めいきん生協 常務理事)

  • 講義: 武見ゆかり氏(女子栄養大学大学院教授)から、食事バランスガイドの基本と、現場での説明のポイントについて解説がありました。

  • 食育事例報告:

    • 学校: 栄養教諭の早川恵子氏が、小学校での食事バランスガイド活用事例を発表。

    • 学校: 養護教諭の杉浦文子氏が、「5色手袋『食まるファイブ』」というユニークなツールを使った導入事例を紹介。

    • 地域: 生協の管理栄養士である崎稔子氏と中井敦子氏が、地域での食育活動について報告しました。

  • 昼食: **「あいちを食べよう弁当」**が提供されました。これは愛知県産食材にこだわって特別に開発された地産地消弁当で、参加者から大変好評でした。

  • ワークショップ:

    • 参加者は14班に分かれ、簡易食事診断を体験しました。

    • **「食事バランスガイドの活用におけるメリットと障害」**について整理し、それぞれの現場での活用可能性を検討するグループ討議が行われました。

    • 武見ゆかり氏が各班を回り、個別具体的な講評を行うことで、参加型の学習効果を大いに高めました。

この学習会は、参加者自身が主体的に学び、意見を交換することで、食事バランスガイドの普及・活用に向けた有効なステップとなりました。

2009年6月23日火曜日

研究会・平成21年度総会

とうかい食農健サポートクラブ 平成21年度総会・記念講演 開催報告

2009年6月23日、名古屋国際センター研修室にて、とうかい食農健サポートクラブの平成21年度総会記念講演が開催されました。25名の会員が参加し、健康と食に関する学びを深めました。


開催概要

  • 日時: 2009年6月23日

  • 会場: 名古屋国際センター研修室(名古屋市中村区)

  • 参加者: 25名

  • 主催: とうかい食農健サポートクラブ

プログラムと内容

総会記念講演:「長寿をささえる食生活―過去から未来へ」

  • 講師: 井形 昭弘 氏(とうかい食農健サポートクラブ会長・名古屋学芸大学長)

  • 講演概要: 井形会長は、健康を「守る」だけでなく、自ら積極的に「創る」ことの重要性を強調しました。また、脚気(かっけ)の原因究明の歴史を例に挙げ、ご自身の鹿児島県での調査報告を交えながら、栄養学の変遷について分かりやすく解説しました。

会員相互交流会

総会後には、会員3名によるショート報告会が行われ、それぞれの活動内容や取り組みが共有されました。

  • 亀山 周央 氏: 国産金ゴマ栽培事業ネットワークの活動について報告。

  • 内田 美子 氏: 豊明市食生活改善推進グループでの取り組みを紹介。

  • 今枝 奈保美 氏: 名古屋女子大学家政学部での研究や教育活動について報告。

参加者たちは、様々な立場で食と健康に関わる活動について理解を深め、活発な意見交換を行いました。

2009年3月21日土曜日

地球環境は台所から講座③

地球環境は台所から講座(第3回):調理実習で学ぶCO2削減

2009年3月21日、名古屋市瑞穂区の名古屋女子大学にて、「地球環境は台所から」連続講座の第3回目が開催されました。この回は「調理方法によるCO2排出量について調理実習」をテーマに、20名の参加者が実践的に環境に優しい調理方法を学びました。


開催概要

  • 日時: 2009年3月21日

  • 会場: 名古屋女子大学(名古屋市瑞穂区)

  • 参加者: 20名

  • 指導講師:

    • 津田 淑江 氏(共立女子短期大学教授)

    • 福田 靖子 氏(日本食育学会評議員)

    • 今枝 奈保美 氏(名古屋女子大学准教授)

    • 小出 弥生 氏(食育サークルSUN 代表)

実施内容

参加者は、カレーとリンゴのコンポートを実際に調理し、以下の2つの条件による違いを比較しました。

  • 食材の大きさ: 2センチと3センチ

  • 鍋の蓋: 蓋を閉じた場合と開いた場合

調理後、それぞれの条件で調理した料理の食感を比較したほか、係数を用いてCO2排出量を計算しました。この実習を通じて、ガスの炎の大きさや鍋に蓋をするかしないかといったちょっとした工夫が、CO2排出量に大きな差を生むことが具体的な数値で示されました。

参加者からは、「実際に手を動かしながら学べるので楽しい」といった感想が寄せられ、実習形式での学びが好評でした。

この講座は、日々の調理が地球環境に与える影響を実感し、持続可能な食生活について考える貴重な機会となりました。

2009年2月6日金曜日

大人の社会見学、食品企業見学

大人の社会見学:三河のお茶と発酵食を学ぶ・味わう

2009年2月6日、愛知県西尾市と碧南市で「大人の社会見学」が開催され、18名の参加者が「三河のお茶と発酵食」をテーマに地域の食文化と企業活動を学びました。


開催概要

  • 日時: 2009年2月6日

  • 見学先: 愛知県西尾市・碧南市内

  • テーマ: 三河のお茶と発酵食を学ぶ・味わう

  • 参加者: 18名

  • 案内人: 堀川敬生 氏(株式会社宏昌食糧研究所)

訪問先と内容

参加者は、三河地方で伝統的な食文化を支える3つの企業を訪問しました。

  • 株式会社はと屋(味噌・たまり・白醤油): 幕末創業の味噌蔵では、日露戦争当時から使われている木桶が並び、3年かけて味噌を仕込む伝統的な製法を見学しました。社長の鳥山欽示氏から、地元の風土に根ざした企業としての社会的使命について、深いこだわりを聞くことができました。

  • 株式会社松鶴園(自園自製のお茶屋): 西尾市にある抹茶工場を訪問し、碾茶(てんちゃ)から抹茶ができるまでの製造工程を見学・試飲しました。

  • 株式会社角谷文次郎商店(みりん): 社長の角谷利夫氏から、県産のうるち米や佐賀県のもち米を使用し、糖類を一切添加しないという、みりん造りへの強いこだわりについて話を聞きました。

まとめ

この見学会では、各社が地域の風土を大切にし、地元農業を支えることを使命としているという共通の信念に触れることができました。参加者は、こだわり抜いて作られた美味しい食べ物を味わいながら、食の背景にある企業の思いや歴史を深く知る貴重な一日を過ごしました。

2009年1月24日土曜日

地球環境は台所から連続講座②

地球環境は台所から連続講座(第2回)開催報告

2009年1月24日、名古屋国際センターにて「地球環境は台所から」連続講座の第2回が開催されました。この回は「調理によるCO2削減」をテーマに、20名の参加者が講演とワークショップを通じて、日々の調理が環境に与える影響について実践的に学びました。当日は寒波と雪の影響で欠席者も出ましたが、熱心な参加者が集まりました。


開催概要

  • 日時: 2009年1月24日

  • 会場: 名古屋国際センター(名古屋市中村区)

  • 参加者: 20名

  • テーマ: 調理によるCO2削減

  • 講師: 津田 淑江 氏(共立女子短期大学教授)

  • 概要説明・コーディネーター: 福田 靖子 氏(日本食育学会評議員・前名古屋女子大学教授)


講演とワークショップの内容

講師の津田淑江氏は、調理におけるCO2削減のポイントを具体的に解説しました。

  • 火加減の重要性: 調理には「中火」が最も効率的であること。

  • 調理器具の選び方: 鍋の大きさと火の量や炎の大きさとの関係。

  • 水と蓋の活用: 適度な水の量や鍋に蓋をすることによる省エネ効果。

講演では、豊富な写真や具体的な数値を用いてこれらのポイントが分かりやすく説明され、参加者は実際にCO2排出量を計算するワークショップにも取り組みました。

津田氏は、一家庭で削減できるCO2量はわずかでも、名古屋市民の全世帯で年間を通して取り組めば、膨大な量のCO2削減に繋がることを強調しました。また、単に数値を減らすだけでなく、おいしさや満足度、そして食を通じて家族への思いやりを育むことこそが大切であるという「食育」の視点も語られ、参加者は深い学びを得ることができました。